爺或流獲屑(しいあるえくす)
雷電『まさか現代にこのような物が残っていようとは…』
中国の魏の時代、男子は青年になると弁髪にする風習は良く知られている事だが、馬鹿波(バカッパ)青年は生来頭髪が薄く20歳になる頃には頭頂部は既に禿げ上がっていたという。
ある日馬鹿波が川で洗濯をしていると大きな桃のような物が流れてきた。
近くでみるとなんとそれは溺れる人の尻であった。
泳ぎの達者な馬鹿波はすぐ様助けに飛び込みながら、もし若い女子ならムフフな展開になるかなと不心得な事を考えていた。
しかし助けてみると初老の男性であり馬鹿波は思わず『爺或流獲屑(流れてきた爺さまが或った、獲てみたら屑だった)』と呟いたという。
この出来事により期待して手に入れた物が堕物であることを中国では爺或流獲屑(しいあるえくす)という諺として使われるようになった。
日本で昭和の終わりにホンダ技研によって作られた(シビックのついでに)CR-Xという車が買ってみたらクズだったとの評価されたのは車名からして必然であろう。
(民明書房刊『諺大全〜嘘も百回叫べば真になる〜』より抜粋)